研究概要
ベッド利用者のための移乗動作補助システムの構築
少子高齢化が進む近年では、高齢者のベッドから車いすへの移乗動作が盛んに行われている。しかし、基本的には介護者の持ち上げ動作によって移乗させるため、介護者の身体に非常に負担がかかる等の問題点が挙げられる。よって、介護者のための支援としてベッドからの移乗装置が注目され、その需要が高まりつつある。 そこで、本研究ではベッドからの移乗動作に着目し、ベッド利用者のための移乗補助システムの開発を行った、ここでは、ベッド側部に座った状態の端座位の被介護者を薄い皮状のキャリアシート上に載せ、ベッドから全方向車いすに移乗させる手法を提案する。
上肢運動に基づいたパソコン操作インタフェースの開発
現在,PCや携帯電話,タブレットなどの情報端末は必要不可欠となり,すでに広く普及しています.これらの端末への入力デバイスとして,近年,直観的な操作が可能な非接触型インタフェースの開発が進められています. 本研究では,視覚と触覚による感覚フィードバックの呈示が可能な非接触型インタフェースの開発を行いました.ここでは,Kinectセンサを用いることでヒトの骨格情報を認識し,上肢の運動に基づいたマウス操作インタフェースのシステム構築を行いました.操作の種類として,基本的なカーソル操作,クリック,ダブルクリック,右クリック,ドラッグ,スクロールに加え画面の選択が可能です.
天井のラインに基づく電動車いすの走行制御
近年、家庭や病院などにおいて、介護者を支援するロボットが注目されるようになり、それとともに、人間とロボットとの共存に関する研究が盛んに行なわれるようになった。屋内を動き回るロボットにおいては、自己位置の推定は重要な課題であり、超音波センサやレーザ位置センサとオドメトリとを組み合わせた手法等が提案されてきた。また、画像処理を利用した手法としては、廊下と壁との境界線や全方位画像、天井の蛍光灯や排気口、模様等が利用されている。本研究では、室内での電動車いすの自動走行制御への適用を目的として、天井板つなぎ目に着目し、交差ポイントを利用した自己位置の推定法を提案する。
瞬き操作に基づいた文字入力システムの構築
われわれの目は, 有効なインタフェースとして考えられ,これまでにも目を利用した入力機器の開発が行われてきました.本研究では,キャリブレーションを不要とする瞬き入力のインタフェースの開発を行いました.USBカメラを用いて目の位置を自動認識し,虹彩の特徴量を利用します.使用者の顔画像を二値化処理し,可変閾値を設けることにより,虹彩の位置を算出します.また,虹彩面積によって,瞬きの検出を行い,コミュニケーションエイドの操作に反映させました. ※本研究課題は,企業組合S.R.D様のご協力のもと行われています.意思伝達装置「話想」のHPは こちら.
瞼形状と虹彩位置を利用した非接触型インタフェースの開発
福祉分野では,上肢等に障害があるユーザが本を読むためにページめくり機が開発されています.従来の機器では,操作のためのインタフェースを接点スイッチ,呼気スイッチなどにして,頭部を動かすことによる負担が問題となっています.そこで本研究では,視線入力を利用したインタフェースの開発を行いました.画像処理を用いてヒトの虹彩位置の検出を行い,瞼の形状をベジエ曲線で曲線近似することにより,視線方向の認識を行いました.また,開発したシステムをページめくり機の操作へと適応させました.。
顔特徴点の三次元計測システムの開発
本研究では、鼻孔を顔の特徴点とし、三次元位置を計測するシステムの開発を行なっている。本システムでは三次元計測にステレオカメラを用いた。ステレオカメラの強みは、画像処理により「物体の認識」と「位置計測」の双方を同時に非接触で行うことが可能な点である。2つのカメラからの入力画像それぞれに対して鼻孔を自動検出し、その視差を利用することで、三次元空間における顔の位置を推定する。正確な非接触式位置計測システムを実現した。この計測システムを基礎とし、食事支援マニピュレータの制御などへの応用も視野に入れ研究を行なっている。